西国五番札所>

紫雲山ふじいでら

国宝本尊千手千眼観世音菩薩

千の手と千の眼を持つ千手観音

葛井寺の千手観音像は、文字通り゛千の手”と”千の目”を持つ千手観音像である。
頭上に十一面をいただき、そして正面で手を合わせる合掌手、宝鉢や宝輪、数珠などをもつ40本の大手に、クジャクのようにひらく1001本の小手、合わせて1043本の手を持つ。 さらに、掌にはそれぞれ眼が描かれており、まさに千手千眼である。

日本では、千手観音は四十二手とされるのが一般的で、実際に千手をあらわすのは我国では唯一と言える遺例のひとつである。 端正な顔つきに、のびやかな肢体、そして千手という超人的な姿を自然な調和をもってあらわした像容は天平彫刻の粋を集めた観音像である。

毎月18日は本尊御開帳

本堂の拝観と本尊のご開帳は縁日の毎月18日と8月9の千日まいりの日。平常は秘仏の為厨子の扉は閉められてます。18日と千日まいりの日は特にご利益があると言われ多くの方がご参拝されます。 是非お参りいただき、観音様よりご縁をお受けください。

■ご開帳時間: 9:00~16:30

■法要   :14:00~14:30
         (どなたでもご参加いただけます)

■護摩祈祷 :14:30~15:30
         (どなたでもご参加いただけます)

■拝観料:500円
 堂内でのご説明とビデオの放映も行っております。

聖武天皇勅願

厳しくも美しい尊顔をもつ本様は、725年(神亀2年)、聖武天皇の勅願によって、稽文會(け もんえ)・稽主勲(け しゅくん)の親子2代にわたり制作され、行基菩薩により開眼せられたと伝えられる。 堂々とした体躯は奈良時代に流行した脱活乾漆造という技法で造られている。粘土で造った像の原形に麻布を張り漆で固め、漆と木屑を混ぜたもので細かく造形し、粘土を抜き取る。木造や金銅仏に比べて保存が極めて難しく、現存する脱活乾漆仏は大変貴重である。

すべての衆生を救う

圧倒的存在感を示して蓮華座に安座する。すべての人々を救う為に千の手にはそれぞれ眼が彫られ、すべての願いに応える為に宝戟(ホウゲキ)、宝輪(ホウリン)、宝珠(ホウジュ),払子(ホッス)、白蓮華、紅蓮華、財宝の宮殿、時間を支配する日輪月輪、五色雲など仏の世界、天界のあらゆる宝物を手にもつ。その救済の力はまさに仏像界のヒーローである。 ゆたかさと繊細、つよさと優雅、男性的力と女性的力、本来なら対立し矛盾するはずの造形的な特質が奇跡という一点で美と信を顕現させている。 人々が本像に誘われるのは千の掌にみひらく《眸(ひとみ)》のためである。1043の眸は浅はかな人間の欲望の本質を透視し、愚かな願いを真の幸せに通ずる祈りに高めようとじっと凝視している。 大手40本、小手1001本の威容が人々に与える安心は計り知れない。